小さい頃、椎茸があまり好きではありませんでした。生の椎茸が食べられるようになったのは9歳ぐらいからです。そんなわたしが子どものころからずっと一貫して好きな椎茸料理といえば、干し椎茸の含め煮です。お正月のお節料理に入っているとそればかり食べてしまう。ちらし寿司に細かく刻んだものが入っていると嬉しい。そういう名脇役の干し椎茸の含め煮ですが、出来合いのものはやたら味が濃かったりして残念なことが多いですよね。
今日はわたしの母のレシピをご紹介します。使う調味料はすべて大さじ1杯ずつなので、作りやすく覚えやすいレシピです。
干し椎茸の含め煮のレシピ
<材料>
- 干し椎茸: 大きめのを6枚ほど(肉厚のもの。薄くスライスされていないホールタイプ)
- 醤油・砂糖: 各大さじ1
- ごま油: 小さじ1
- 水
<作り方>
- 干し椎茸を大きなタッパもしくはボウルにいれてたっぷりの水を注いで戻す(8時間以上かかります。浮いてきてしまうので小皿などをのせて椎茸全体が水にひたるようにします)
- 手をよく洗ってから次の工程にうつる
- 椎茸の軸のつけねを笠の側(黒い方)から指で触ってみて、芯まで水がしみこんで柔らかくなっているのが確認できたら、笠のひだの間に入りこんでいるゴミを戻し汁の中でゆすいで落とす(流水でやらない・戻し汁は捨てない)
- ゴミがとれたら椎茸の水気を軽く絞って軸を切り落とす
- 椎茸を鍋に並べる。隣の椎茸と少し重なり合うような感じでよい。※ひだのあるほうを下に向ける。
- 茶漉しで漉しながら戻し汁をヒタヒタになるまで注ぎ(浮き気味の椎茸の頭が少しだけ出るぐらいの水位)、蓋をせずに中火で加熱開始
- 沸騰してくるにつれてアクがでてくる。アクだけすくって除く。煮汁の水量はできるだけ減らさない
- アクをとりのぞいたら(9割とれればよし)砂糖大さじ1を加え、落とし蓋をして弱火で10分ほど煮る
- 次に醤油大さじ1を加え、再び落とし蓋をしてそのまま弱火で静かに煮る。火加減の目安は煮汁がふつふつして対流が起きている程度にキープ
- 時々落とし蓋を持ち上げて煮汁の水位を確認する。あまりに早くに煮汁が飛んでしまうようだったら、火加減を弱くして戻し汁を少し足し、都合45分ほど煮る。焦がさないようにタイマーをかけて時々様子をみること
- 煮汁がほとんどなくなったらごま油小さじ1をまわしかけて火を止める
これで出来上がりです。
ごま油を加えてからは加熱しないほうがおいしく仕上がります。いちど完全に冷まして味が落ち着いてから召し上がってください。
椎茸の含め煮は名脇役です。大きなものなら半分に切ってお弁当に入れたり、こんにゃくの煮物や里芋の煮物に添えたりしていただきます。このまま食べてももちろん美味しいですが、薄く切って五目ちらしにいれたりおいなりさんの具の酢飯に入れたりするのもおすすめです。余った戻し汁は鍋物のスープや筑前煮、春雨をつかった中華風の煮物などに使えます。
乾物は地味な食材ですが、疲れたときなどにはしみじみおいしい一品になります。お正月を前にぜひ作ってみてください。