ナスの煮浸し

長茄子

夏が近づくにつれ、ナスがおいしくなってきますね。長茄子(長さ50cmほどにもなる、綺麗な円柱形のナス)をみつけたらぜひ煮浸しにしてください。煮浸しではナスの皮の色は茶色っぽくなります。つまり、見た目はとても地味になります。しかし食感はトロトロでたいへんおいしいのです。

長茄子をつかったナスの煮浸しレシピ

長茄子の皮は固く実が柔らかい。油をたいへんよく吸うという特質あり

分量:2人前
材料:
長茄子 1/2本
サラダオイル 大さじ2
めんつゆ(濃縮タイプ)大さじ2
生姜 1かけ(チューブでもOK)

=下準備=
・長茄子1/2本(全長50cmほどの長さのものを想定)は表面をよく洗い、水気をとる
・ヘタを落とし、縦ストライプ模様にする要領で、皮をピーラーでとびとびに剥く(全部剥いてはいけない)
・まず縦半分に切り再度縦半分に切る(4分割)
・次に7~8cm長さに切ったらボウルにいれ
・塩(自然塩)ひとつまみをかけ、手を使ってボウルの底から持ち上げるようにして全体に塩をまんべんなくまぶして5分ほどおく(ここまではスピーディーに作業する。ナスの実側は切ると断面から変色がどんどん進む)

=ナスに塩を馴染ませている間に生姜を準備する=
・生姜ひとかけをすりおろす
・すりおろし生姜から汁を絞り、出汁(市販の2倍濃縮のめんつゆ大さじ2を計量カップに注いで、その上から水を足して100cc〜120ccにしたもの※)に加えておく
※濃縮めんつゆはメーカーによって塩気にばらつきがあります。お好みの濃さを見つけてください。

=加熱調理開始の前に=
・ボウルに入れておいたナスをやさしくキッチンペーパーでくるんで表面の水気をとる(握ったり絞ったりしない)

=鍋で焼いてから煮る=
・深めの片手鍋(テフロン加工してあるとやりやすい)にサラダオイル大さじ2をいれ中火で加熱
・油が温まったらナスを皮側から入れて焼く
・皮側が焼けてしんなりしてきたらひっくり返し、反対側にも油をなじませる
・ナスが全ての油を吸ってしまっても油を足す必要なし
・ナスの7割ほどに焼き色がついた時点で、用意しておいた出汁を一気に注ぐ
・強火にしていちど沸騰させたら火を止め、そのまま室温まで冷ます。熱々でももちろん美味しいが火傷注意。

長茄子の煮浸しを片手鍋で作っているところの画像


​長茄子は油をよく吸います。ナスを切ってからひとつまみの塩をまぶすことで、油をあまり吸い込まなくなります。ただし塩分が濃くなるので、出汁は薄く感じる濃度にして調整してください。

ナスを色よく仕上げたいのなら

皮がしっかりした長茄子をトロトロにして食べることが、上記のレシピのゴールです。だから皮の色は犠牲にしました。
だけど、せっかくならナス皮の色がきれいに残ってくれたら嬉しいですよね。
ナスの皮の色素は熱に弱く、また、水に溶け出す特性があります。ナスの皮の色を綺麗に残すには、油で揚げるか、皮の表面に油を塗ってレンジで加熱する方法があります。が、正直どちらもめんどうくさい。

揚げ焼きにしたナスを冷たい出汁にひたすやり方なら、比較的色が綺麗に残ります。そちらもご紹介します。

普通のナスでつくる焼き浸しレシピ

=普通のナスの焼き浸しバージョン(煮浸しに比べ油は2倍使います)=
・中ぶりのナス2本は大きめの乱切りにして塩ひとつまみふっておく
(縦半分に切ってかくし包丁を細かくいれるのでももちろんOK)
・生姜の準備等は上記と同じです
・フライパンにサラダオイル大さじ4をいれ中火で加熱
・油が温まったらナスをできるだけ皮側から入れて焼く
・皮側が焼けてしんなりしてきたらひっくり返し、反対側も加熱
・ナスをバットにしいた網に取り出し、油を切って粗熱をとる
・ナスの粗熱がとれたら、タッパーに用意しておいた出汁(※)にナスを入れる
・保冷剤の上にタッパーを乗せ、急激に冷ます。冷めたら冷蔵庫で更によく冷やす

※煮ないので、薄めの蕎麦つゆ程度の濃さにしてください。

出汁につけているとナスの色はだんだん抜けてしまいます。色よい状態で食べるのなら、数時間のうちに召し上がってください。素揚げの場合でも、ナスの粗熱を取ってからの工程は同じです。

​食べる時におかかをのせたり、ちょっと七味唐辛子をふったりしても美味です。夏なら冷麦やそうめんのお供にどうぞ!