アフリカンプリント生地で派手めの普段着

派手な色柄の服が似合うタイプなので、未だに鮮やかな色柄のものに惹かれる。
学生のころ、サイケデリックプリントの長袖Tシャツやインド綿でできた服、しゃらしゃらとフリンジのついたライダースジャケットなどをよくきていた。そういう服を着て、ピアスをゾロゾロ下げて青いネイルなどもしていた。バンドマンだったんだからしょうがない。しかし母からは大不評で、「ご近所さんに恥ずかしい。日が落ちてから出かけてくれ」と言われていた。

アフリカンプリント

渋い毛織物も好きだけど、強烈な陽射しに負けない色柄のアフリカンプリントが好きだ。
10年ほど前から日本でも一般人が買えるようになったアフリカンプリントだが、当時はアクがかなり強いものが多かった。個性的すぎるせいでバッグかポーチ等、用途が限られていた。ところが、最近のアフリカンプリントはアクの強さがちょっと減って、服にも使いやすくなったように感じる。
派手な色柄のものがいつまで着られるかはわからない。だからこそ今のうち存分に着ておきたい。

アフリカンプリント生地のうえにミシン糸を2個のせている画像

そう思ってからは早かった。生地とコンシールファスナーを滑らかに購入し、縫い糸の色決めに入る。
この工程がいちばん楽しい。
多色プリント生地で服を縫う時、様々な要素を考えて糸の色を決める。トップステッチで服の表(おもて)に糸が見えるから、かけ離れた色ではおかしい。そしてコットン素材とはいえ色柄がかなり強烈なので、糸には若干の光沢があって欲しい。
候補を絞ってから糸を生地にのせてみると、予想があたらないこともよくある。
今回の生地の場合、緑の部分が多いので濃いめの緑の糸が合うかと思っていたら、ターコイズブルーの糸のほうがしっくりくる。
糸によって布の雰囲気や表情が変わるのが純粋に楽しい。

アフリカンプリント生地のうえにロックミシン用の糸4点を並べている画像

ロックミシンの糸も手持ちの糸の中から決める。今回は紺色にしよう。上の画像の4つの紺色の糸は、すべて違う色のものだ。裏は見えないから問題なし!

パターン(型紙)を決める

アフリカンプリントでスカートというと、ウエストがゴムのギャザースカートがcreemaなどでは主流のようだ。布をたっぷり使えてプリントが活かせるのと、場合によっては型紙すら不要だからだろう。もちろん、サイズに融通がきくから手軽に売ったり買ったりできるという理由もある。

が、ウエストが総ゴムのギャザースカートは、わたしの体型ではエレガントさに欠けて見える。ウエストに布が集まるのも、ゴムの感触も好きではない。ウエスト位置がピシッと決まっていて伸縮性があまりないスカートが好きだ。ジャストサイズで作れることこそ洋裁の醍醐味だし、せっかく自分で作るなら好きなパターンで作りたい。

裏地なしのフレアースカートに仕立てる

そこで、今回は丈の長いフレアスカートに仕立てることにした。
実はわたしは過去に高級お仕立ての技法を習っていたことがある。そのころにひいたパターンを使い、裏地なしのフレアスカートを縫った。

派手すぎる。ビーチかプールサイドで着るような派手さだ。嬉しい。

アフリカンプリント生地で縫った6枚はぎのロングフレアースカートの画像
110cm巾2mで6枚はぎのロングフレアスカートができる
アフリカンプリント生地で縫ったスカートの画像
柄合わせはせずあえてごちゃごちゃに合わせた

このフレアスカートのパターンをひいたのは、33、34歳ごろだったはずだ。フレアスカートは不易流行(流行に左右されるのは丈と素材ぐらい)だから、いちど丁寧なパターンを作っておけば長く使える。用尺の都合で裾は1cmの三つ折りになってしまったのが心残りだが、カジュアルな服だからよしとしよう。
それにしても、20年経っても体型が変わっていないのはいいのか悪いのか。(形状記憶デブなんで…)

おすすめの洋裁副資材のお店

服を縫うにはファスナーや芯、糸、定規やチャコ、ボタンなどが要る。そういう副資材を扱うお店がこの10年でめっきり減ってしまい、ユザワヤも売り場を大幅に縮小してしまった。洋裁人口もどんどん減っているのだろうし、多くの日本人にとって服は「買う」一択になったのだろう。

京都のヨシミさん

とはいえ、楽天市場などでも副資材のお店はまだまだ頑張ってくれている。
今回、コンシールファスナーを15年前のお値段で買えたのは【洋裁材料ショップ ヨシミ】さんのおかげだ。(楽天市場店もある)
コンシールファスナーを色別に3本、2本という面倒な組み合わせで購入したのに、ヨシミさんは丁寧に色番号がわかるようにシールもつけて送ってくれた。小口客なのに…すみません!
ヨシミさんの素晴らしいところはこれだけではない。各副資材の商品ページには、使い方やコツなどの説明がついている点だ。これは洋裁初心者にも嬉しいし、我流でやっている歴が長いわたしのような者にも勉強になってありがたい。

洋裁材料ショップ ヨシミさんのオンラインショップでのテクニック講座スクリーンショット
ヨシミさんのサイトからのスクリーンショット https://www.k-yoshimi.com/inbel_dj.html


それのみならず、ヨシミさんは接着芯お試しセットを作ってくれていたりする。接着芯と生地は相性があって、買ったのに目的の布で使えないこともしばしばある。(モアレ現象がおきる、接着剤が染み出してきてしまう、接着剤の粒が目立つなど。)使えないと地味にダメージが大きい。それが回避できるのはほんとうにありがたい。
芯貼りテスト用接着芯地 というページで買える。接着芯選びで途方にくれたらこちらを試してみてほしい。

糸なら「インターネットの糸屋さん ボビン」

昔からお世話になっているのがボビンさんだ。圧倒的な品揃えと安さがすごい。
キングスパンの60番手、3,000m巻が税込425円で買える(ユザワヤでは920円(税抜))。それだけでもびっくりなのに、購入した長い糸を3本もしくは4本に分けて巻いてくれるサービスもある。ロックミシン用にわたしも時々4本に分けて巻いてもらう。

ボビンさんでは稀に縫製工場の余剰品の糸を売っていたりもする。色さえ合えばたいへんお得だ。
また、機能付きの特殊糸(静電気防止やアイロンの熱で溶けるなど)も扱っているので、近所の副資材店で手に入らない糸があったら、ボビンさんをチェックしてみてほしい。

服を縫うのはほんとうに楽しい。失敗しても自分だけが凹めば済むことだし、洋裁人口が増えてくれたら嬉しい。
流行の服を既製品で手にいれるのももちろんいいのだけれど、服が縫えるようになると既製服を見る目が変わる。粗悪な縫製と丁寧な縫製の区別がつくようになる。たくさんの生地に触れれば品質の違いもわかるようになる。
遠い国の誰かを搾取して出来た服を5着買うより、ちょっと失敗しながらでも自分で仕立てた服を1着持つほうが、わたしは嬉しい。