近所に元は魚屋のスーパーがあります。
そこの鮮魚コーナーはいつもとても充実していて、ゆくたびに興奮してしまいます。が、残念なことに、わたしは魚介類にアレルギーがあって、食べられるものが限られています。キラキラのイカがあっても、秋鮭があっても食べられない。ぷりっとしたホタテも食べられない。選択肢が少ないと切なくなります。
でも、そこのスーパーは品揃えが豊富だから悲しくなりません。あれもこれも食べたくなります。
魚のなかでも大好物のひとつが鯛です。天然ものの鯛があったら喜び勇んでビニールに入れ、鮮魚担当の方に声をかけてさばいてもらいます。
「お刺身用のさくにして!だけどアラもカシラもいれてください。鯛めしにするから」とお願いしたり、最初から鯛めし用に3枚におろしてもらったりします。鯛は骨からとてもおいしい出汁がでるから、アラを捨てるなんてもったいない。
ピカピカした天然物のお頭付きの鯛があったら鯛めしにしてみてください。
うちの鯛めしレシピ(土鍋炊き)
材料
材料は下記の通りです。2号炊きの土鍋で炊きます。
- 中くらいのサイズの鯛:1尾(3枚おろしでアラとカシラを含む)
- 白米:1.5号
- 調理酒:大さじ2
- 醤油:大さじ1/2
- 塩:小さじ1/2
- 水:調理酒と醤油も足して全部で300ccになるようにする
- 生姜:1かけ
- 出汁用昆布:幅6cm×長さ12cmほど。もしくは食塩無添加の昆布だしの素を3g
- トッピング用に万能ネギのみじん切りや三ツ葉、白胡麻などあるとより嬉しい
下ごしらえ
鯛に塩(分量外)を薄くふり、グリルで塩焼きにしてバットなどに取り出しておく。鱗のとりのこしや長すぎるヒレなどはこの段階でとり除いておきます。いちど冷めたほうが扱いやすいので、前日の夜などに仕込んでおくと便利です。
※塩は薄めにしてください。丸のまま塩焼きにするのなら強めでいいですが、切り身だとやたら塩がきいてしまうので要注意です。
※カシラはお店で兜割(かぶとわり)してもらっておくこと。家庭では鯛の頭骨は縦に割れません。よほどちいさなレンコダイでも危ないのでやめておきましょう。
鯛めしを土鍋で炊く
- 米は研いで20分浸水させたらザルにあげてよく水をきってから、土鍋へ移す
- 上から調理酒・醤油・塩をくわえた水を加えてざっと混ぜる(顆粒の昆布だしを使う場合はここで一緒に混ぜる)
- 米のうえに出汁用昆布を敷いてから、塩焼きにした鯛の切り身、アラ、カシラを並べ、生姜ものせる
- 強めの中火で加熱開始。蒸気がコンスタントに上がるようになったら1分そのまま加熱し、次にトロ火に近い弱火にして9分炊く
※これはわたしの使っている土鍋の場合なので、手持ちの土鍋で調整してみてください。調整のポイントは焦げ付かせないことと、お米がぱらっとした炊き上がりになるようにすることです。 - 火を止めてコンロからおろして15分蒸らす
- むらし時間10分が経過したら蓋をあけ、手早く鯛と出し昆布を引き上げて再び蓋をする
- ひきあげた鯛を皿に広げて身から骨と皮をはずす。骨は決して残さないように丁寧にとりのぞく
- ほぐした身だけを土鍋に戻し(この時点でむらし時間は終わっているはず)、しゃもじでさっくり切り混ぜるようにして米と身をなじませる
- 器に盛り付け、お好みで白胡麻、小口切りにした万能ネギや三ツ葉などを散らす。針生姜を添えてもおいしい
身をほぐして骨を根気強くとりのぞく作業が面倒なのですが、手間をかけるだけの意義があります。自宅で炊いた炊きたての鯛めしのおいしさたるや、ああ、日本に生まれてよかったと、ことほぎたくなります。
2杯目の鯛めしは、ほうじ茶や出汁などで鯛茶漬けにして食べると美味しいです。わさびと海苔とで味と食感を変えて楽しんでくださいね。