りんごを煮る・甘さ控えめりんごジャム

山形から紅玉りんごが届きました。
平日は時間が取れず、週末までうずうずしながら待って、いよいよジャムを煮ます。

山形の紅玉りんご、5kg

まずは1kg弱を煮てみましょう。
シンクをよく洗い、清潔なふきんで拭きあげてから作業スタートです。狭い台所ではシンクの中も作業場になりますから、きれいにしておく必要があるのです。りんごも水洗いしておきます。

ジャムの味とテクスチャーを決める

作ってみたけど欲しい味にしあがらなかったら残念ですよね。だから、どんな味とテクスチャーのジャムをつくりたいのかを最初に考えます。(これを曖昧にすると、わたしは調理している最中に思いつきで余計なことをしてしまう)
今回は甘さは控えめ、紅玉の香りと果肉の食感も残っているテクスチャーのジャムにしようと決めました。

仕込み

紅玉を櫛形に4等分し、芯と皮とを除いたら、横にねかせて6回サクサク切って薄いピースにします。ジャムなので皮も使います。
砂糖はりんご(皮や芯をとる前)の重量に対し30%〜35%で用意します。甘さは控えめで紅玉の酸味を楽しめるジャムにしたいからこの量です。甘くするなら砂糖の割合は40%台が推奨です。
砂糖の他はレモンのしぼり汁大さじ1/2、白ワイン50ccを使います。

アップルパイのフィリングにする紅玉りんご
りんごの皮をお茶パックにいれたところ

スライスしたりんごには、用意した砂糖の約半分をまぶして90分ほど放置します。こうするとりんごから果汁がでてきて果肉がしまり、ぐずぐずに煮くずれしません。りんごの果実感のあるジャムにしたいときはこの工程は必須です。
変色予防もかねて、時々上下を返すようにして砂糖がゆきわたるようにしてください。
その間に皮をあつめてお茶パックに入れてスタンバイしておきます。

ジャムは厚手の鍋で煮る

砂糖をたくさんつかって果物を煮るには、厚手の鍋が最適です。
果物は酸が強いからステンレス製の厚手の鍋か、鋳鉄製でホーローびきの鍋(ル・クルーゼやストウブ)が適しています。

ステンレス製の厚手の鍋でりんごを煮る
煮始めたところ。

鍋にりんごとでてきた汁、皮、残りの砂糖をうつしたら白ワイン50ccを加えて中火で煮始めます。白ワインはなくても支障ありません。
ふつふつと沸騰してきたら少しだけ火を弱めて、蓋をとって15分ぐらい煮ます。焦げつかせないようにときどき底から上下をかえしてください。あまりつつきまわすと果肉が崩れますのでそうっとです。

ほんのりと皮の色がでてきたところ
沸騰してから5分ほどしたところ。一部のりんごは透きとおってきています。

15分も煮るとりんごの8割が透きとおってきているはずです。ここでレモンのしぼり汁を入れて、全体をざっと混ぜます。

煮詰める

煮汁がりんごの高さの半分ほどになったら、コンロから離れてはいけません。鍋肌・鍋底と果肉の間にスパチュラをいれるようにしてかき混ぜながら煮つめます。

レシピサイトでは赤みを強調した補正後画像が出回っていますがリアルはこんな色です。

出来上がり直前に皮のお茶パックを取り出し、よく搾ってください。皮に多く含まれるペクチンで、ジャムのぽってりぷるんとした食感が生まれます。

煮汁がほとんどなくなったらジャムの出来あがりです。
煮詰める作業が苦手なら弱火で作業してくださいね。厚手の鍋は火を止めてからも加熱が進んでしまいます。煮詰めすぎたり焦がしかけてしまったら、すぐにコンロからおろして濡れ布巾に鍋をのせて冷ましてください。

ジャムが出来上がったら熱々のうちに瓶(煮沸消毒したもの)に詰めて蓋を締めます。

自然光で撮るとこんな感じ。この瓶の肩にある点字は「ジャム」です。

冷めたら冷蔵庫にいれて保存します。甘さ控えめ=保存期間が短いのでどんどん使う予定です。
このりんごジャムはトーストやスコーンにたっぷりと使ってもいいし、クラッカーにクリームチーズとのせても美味しいです。ねっとりするほどの糖度ではないので、ヨーグルトのトッピングにも向いています。

紅玉の旬は1ヶ月未満で、紅玉のジャムは今の時季にしか作れません。
生産者のJAさがえ西村山大江りんご部のみなさん、今年もありがとうございます!