朔日のおしるこ

ヒヤシンス

暖冬とはいえ、寒い日が続く東京です。
暮れに買ったヒヤシンスは無事に咲き、芳香で楽しませてくれました。公園の梅も咲き出して、季節は着実に春に向かっているものの、今日は朝から曇天でとにかく寒い。

そこで、本日のおやつはおしるこにほうじ茶としました。

父方の祖母の実家には毎月朔日(ついたち)におしるこを食べる習慣があったそうです。そのせいか、祖母は存命中、よくおしるこを作ってくれました。祖母とわたしだけで留守番をするような時には、お昼ごはんがおしるこだったこともありました😋

おしるこ

祖母がうちの家族と同居していたころのわたしは幼くて、なぜ朔日におしるこを食べるようになったのか、祖母からエピソードをききだすような知恵もありませんでした。だから、もう、今となっては祖母の生家・M家の風俗は謎のままです。

祖母はM家の長女と思っていたら実は年の離れた長姉がいた(滋賀に嫁いでのち、戦争などもあって交流は途絶えてしまった模様)とか、そんなことも今頃知りました。

祖母の姉妹たちはみなバイタリティが強く、自分で仕事をして人を雇うまでになった人もいれば、祖母のように地元で商売をしてふたりの男児を育て上げた人もいます。(戦争未亡人の多かった時代もあるのでしょうが)
今こそ彼女たちと話をしたいなぁ…と、おばさんとなったわたしは思うのでした。

追記

ちょっと調べてみたところ、あずきバーの井村屋さんのホームページにこんな解説がありました。

日本には昔から、旧暦の1日と15日にあずきご飯を食べる習慣がありました。
1日は月が膨らみだす新月、15日は丸くなった満月を祝って、お赤飯を炊いたそうです。月の満ち欠けを目安に月に2回あずきご飯を食べる、という習慣を伝えてきたのは、あずきの赤は生命のシンボルといえるほど生命を守る成分が豊富で、あずきを食べることにより、仕事の能率を高め、かつ疲れを残さないための、稲作を生業としてきた日本人の知恵といえます。

「毎月1日はあずきの日」https://www.imuraya.co.jp/azuki/good/azuki-day/

もう少し調べてみると、商家での習慣であったようです。(農家や武家、公家ではない)
昔は掛け売り(代金後払い。たいていは月末にまとめて支払ってもらう)が主流でしたから、1ヶ月の中になんらかのリズムを設けておく目的もあったのかもしれません。また、普段変わりばえしない食事をしている使用人に対する労いという意味もあったかもしれません。が、民俗学的にどうなのかまでは調べられていないのでわかりません。
どなたか詳しい方がいらしたら情報をお待ちしてます。