高齢な親の安全を守る

明けましておめでとうございます。
本年もマイペース更新となりますが、どうぞよろしくお願いいたします。

年末に仕事を終えてからは実家と自宅を行ったり来たりする日々でした。
今回は特に親の老いを感じました。新年早々なんという話題かと我ながら思います。が、現実はちゃんとみなくては。
高齢な親が安全に暮らすために、子世代は具体的になにをしたらいいのか…と最近よく考えるようになりました。

いきなり難しいことに着手するのは大変です。だけど細々(こまごま)したことでやれる安全対策はいくつもあります。
お正月に帰省されたりご実家に集まった時にパパッとできるサポートのいくつかを書いてみますので、どなたかのお役に立てたら幸いです。

トラッキング火災を防ぐ〜コンセント周りの掃除

高齢者あるあるかもですが、コンセントを一度さしたら挿しっぱなしで何年も放置していたりしますよね。
家具の裏にタコ足配線を押し込んでホコリまみれにしていたり、古い延長コードをそのまま使っていたり。
電源プラグを挿すコンセント(アウトレット)が床に近い場所にあることが多いせいで、膝や腰が痛む高齢者はしゃがみこんでまで掃除しなかったりします。
コンセントとプラグの間にホコリが入り込むとトラッキング火災の原因となります。高齢者にかぎらず火災は大変危険ですよね。ご実家では電源周りの掃除をぜひしてあげてください。
下記に東京電力パワーグリッドの解説を引用してみます。

1-1.トラッキング現象が起こりやすい場所

トラッキング現象は、上述のメカニズムでご紹介したとおり、チリやホコリ、湿気が多い場所で発生します。ご家庭の中で、こんなところはないでしょうか。

  • 頻繁に電源プラグの抜き差しをせず、かつチリやホコリが溜まりやすい場所にあるコンセント
    例)冷蔵庫・テレビ・電子レンジなどの家電製品の裏側、たんすの裏側
  • 湿気の多い場所にあるコンセント
    例)台所、洗面所、加湿器の近く、水槽の付近など水気の多い場所
  • 結露しやすい場所にあるコンセント
    例)窓まわり、北側外壁に接する部分などにあるコンセント
  • エアコンなどの使用によって、結露しやすい場所

1-2. トラッキング現象が発生しやすい時季

梅雨時期はホコリが湿気を含みトラッキング現象が起こりやすくなります。

また、寒い季節には結露によりホコリが湿気を含み、トラッキング現象が発生しやすくなります。

トラッキング現象とは?火災が発生するメカニズムと安全対策について

特に結露しやすいお家は要注意です。IHクッキングヒーターではなくガスで調理しているほうが結露しやすいですし、冬は加湿器をオンにすることもあってトラッキング火災が発生しやすくなります。

詳細はこちらで確認してみてください(クリックで別サイトへ移動します)

古い家電を処分する

リチウムイオン電池の入っている古い携帯電話やスマホ、もう使っていないタブレットやノートパソコンも危険です。引き出しに放り込んで放置しているガラケーなどがあったら「処分するね」とひきとってあげてください。

ガラケーやスマホを処分する時の注意点などは以前こちらの記事に書きましたので、併せて読んでいただければと思います。
なお、ノートパソコンは工場出荷時の状態に戻す操作が必要です。また、家電リサイクル法があるため、ご自身での処分を促すことになります。

それと、電池の液漏れチェックもしておきたいですね。
季節家電用リモコンや防災用ラジオに電池を入れっぱなしにしている人がほとんどだと思います。液漏れしていないかを確認してあげてください。

特殊詐欺や強盗被害を防ぐ〜「電話帳ナビ」

うちの親は特殊詐欺や怪しい電話にはひっかかりそうにもないと思っていましたが、甘かったです。

先日、「あと2時間でお使いの電話は通話ができなくなります。通話を続けたい方は「1」を押してください」とかいう電話が母のもとにかかってきてうっかり「1」を押してしまったそうです。そこでハッと気がついて切ったそうですが、危なかったです。

これはアンケート形式で個人情報をぬきとる手口です。「現在家族と暮らしている方は「2」を、一人暮らしの方は「3」を」とかの指示に答えさせ、年齢や家族構成などを確認し、「やれる」と思ったら強盗がやってくるのだそうです。なんとおそろしい。

自分のスマホのアドレス帳に登録されていない番号からの着信は、相手を選んで出たいですよね。営業電話や特殊詐欺系の電話には出たくありませんし、SMS(ショートメッセージサービス)でやってくる怪しい「不在配達のお知らせ」とか「口座凍結のお知らせ」などもしかりです。

怪しい番号をブロックしてくれるアプリがいくつか存在していますが、無料版でも機能が充実しているのが「電話帳ナビ」です。AppStore等からこのアプリをスマホにインストールして設定を済ませると、独自のデータベースの情報を参照して発信元を表示してくれるんです。(着信中は着信を知らせる画面に、電話に出なくても通話履歴に表示されます)
法人名の登録がされている番号ならその法人名がきちんとでます。080や070で始まる営業電話も「⚠️エコシステム家庭用蓄電池設置業者」「⚠️ネット回線業者」等といった表示になります。だからあやしい電話に出なくて済みます。SMSのブロックにも対応しています。

詳しい設定をとてもわかりやすく説明してくれている動画を見つけたので、ぜひやってみてください。
わたしも母のスマホに入れて設定も済ませておきました。

ちなみに、パソコン博士TAIKIさんのチャンネルではLINEを安全に使うための初期設定も紹介しています。LINEを主な連絡ツールとしていても、設定は初期設定のままだろうと思うんですよね。個人情報が漏れるような使い方をしていたらやはり危険です。この設定も親の端末で済ませておきました。
また、TAIKIさんはTEMUの危険性なども解説されています。気になる方はチェックしてみてください。

その他にもヒートショック対策のヒーターを寒い脱衣所に置いたり、気がついた時にちまちまとやっています。
火災、強盗、詐欺、健康被害等から親を守ることになろうとは思いませんでした。便利な世の中にはなったけれど、高齢者を「弱い標的」として狙う犯罪も増えて恐ろしいです。
今年も皆様とご家族が安全に暮らせることを祈っています。