帽子が好きで、編んだり縫ったりするのも好きだ。ハンチングやキャスケットをよく縫ったが、そういえばベレー帽は縫ったことがない。編んでばかりだ。
今回、フランスのファブリックメーカー:SAFECOのジャカード織の布をたまたま激安で手に入れ、ベレー帽を縫ってみた。
ジャカード織(「ジャガード」ではなくて「ジャカード」が正しい。そもそもの綴りはjacqard)は、裁ち端からどんどん横糸がぬけ落ちほどけてしまう恐ろしい布だ。細かいパーツにしていじくり回すことができない。インテリアファブリックなので文句は言えぬ。
最初は8枚はぎのかっちりしたベレー帽を縫おうと思っていた。しかし、ジャカード織の布で8枚はぎはハードルが高すぎる。それにせっかくの模様を活かしたい。ということで4枚はぎにした。
参考パターンの動画
参考にしたのはこちらの動画で紹介されていた製図だ。縫い方は少し異なる。
表布・裏布ともダーツのあるパーツを4枚裁断し、ダーツを縫ってはいでゆく。アイロン台やロックミシンを出したりしまったりする時間を含めて、2時間ぐらいで作れる手軽なパターンだった。
縫い方を変えた点
こちらの動画では接着芯を張らず、裏布がパリッとした風合いの寒冷紗で仕上げている。今回はジャカード織がほぐれるのを防ぐ目的から、わたしはバイリーンの薄手の接着芯(黒)を貼った。ふわっと起毛したモール糸をアイロンで潰して風合いを損ねないよう、温度は中温で接着してみた。それだとやはり接着が甘く、途中で浮いてきてしまった。仕方がないのでちょこちょこアイロンで押さえて接着した。
裏布は以前エプロンを縫った時の余り布のリネンを使用した。通気性と吸湿性の良いものにしたかったからだ。

そして、裏布が落ちてこないように、内側では頭頂部の縫い代同士をかがり糸で5cmほど縫い合わせてある。どうせ被るものだからとこれを省略すると、帽子を被りつつ位置を調整した時に裏布と表布がズレて気持ちが悪い。収まりが悪い感じが頭に伝わると私はイライラしてしまう。だからこの工程は省けない。
サイズテープを縫い付ける前に、本体のかぶり口にぐるりとロックミシンをかけた。
布がもろもろとほぐれてくるのを留めたかったからと、ほぐれた緯糸(よこいと)がフリンジ状になってわかりにくくなった布端をはっきりさせたかったからだ。ざっくりした織りの布で作るなら、やはりロックはかけたほうがいい。
柄合わせは頑張ってやるべき


帽子の面積に比して一模様が大きいこともあって、柄合わせは「まぁ適当でいいや。チェックとかじゃないからそんなに丁寧にやらなくても」などぞんざいにやってしまった。結論としては、頑張って工夫して柄の出方に神経を配るべきであった。
まだ布はある。
残った布で再度丁寧にベレー帽を縫うか、それとも柔らかいバッグを縫うか。悩ましい。この悩んでいる時間もまた愉しい。
