昨年、オーブンレンジの最高設定温度を確認しないままハードブレッドの焼成に挑戦し、惨敗した。
ひどく懲りてしまったわたしが、その後、ストウブでカンパーニュを焼くことはなかった。
ところが年末年始に冷凍庫が満杯になったとき、パン用強力粉の賞味期限が切れているのを見てしまった。消費せねばなるまい。
そこで先日、ソフトな生地のちぎりパンでストウブでのパン焼きに再挑戦してみた。
寒いからパン生地の醗酵が進まない
のっけから言い訳みたいなことを書いているけれど、水温と気温が低いとイーストではこんなに醗酵が進まないものなのだと驚いた。ほんとうに生地の膨らみがはかばかしくないのだ。
気密性が高く室温が常に22度以上あったマンション(猫のための室温設定)で天然酵母でパンを焼いていた時は、あまり気にしたことがなかった。うまく育てた天然酵母は強いのだな。

オーブンでの2次醗酵(規定の時間より10分長めにした)後でもこの程度だ。

2次醗酵までさせてしまったからにはもう焼くしかないので、そのまま焼いた。

ご覧のとおり、焼いてもそれほどぷわぁ〜っとは膨らまなかった…。
味は悪くない。生地は外側がサクッと中がもっちりしていて美味しく焼けて、テクスチャーとしては好みだからいいのだけれど、もう少し伸びやかに膨らんで欲しかった。
やっぱり天然酵母を…と思ったところで正気に戻る。
いかんいかん。
天然酵母を買ったりしたら、強力粉をまた追加で買ってしまうではないか。
ホシノの天然酵母は1回仕込むと3〜4斤分ぐらいになるから危ない。危ないんだよ、あれは。
やはり自家製パンは美味しい
普段、安い食パンを食べているせいなのか、自家製のパンはやたら美味しく感じる。原材料費を考えたらそりゃそうか。
売り物ではないから失敗しても構うことはないと開き直り、水分をトマトジュースに置き換えた生地を仕込んでみた。
低温醗酵でパン生地は寒い浴室で一次醗酵を試みる。真冬のうちの浴室は野菜室と同じぐらいの室温なのでちょうどいい。
成功しますように。

ドライイーストを0.4g増やしトマトジュースも20度まで温めてから生地を作ったけれど、粉の温度が冷たすぎたのか、思ったほどには膨らまなかった。もう少しみっちりして欲しい気もする。

焼き上がってみたらいい感じに膨張している。あとほんの少し膨らんでくれたらよかったな。
全ての水分を無塩トマトジュースに置換したのに、トマトの主張は弱い。トマト感をはっきり感じさせるには、トマトケチャップかドライトマトを刻むとかして入れたほうが良さそうだ。ドライバジルも欲しいし、塩味も強くしてもよさそう…とか考えて、市販のお惣菜系のパンの味付けがどれほど濃いのかに思い至る。あれを自宅で再現するのはいかがなものか。いや、魅力的ではあるけれども、消化器を労わりたいお年頃で悩ましい。
ぼんやりした味になったトマトちぎりパンも、トースターで温めてオリーブオイルとスパイスをつけて食べたり、たまごサンド風にして食べたりするとけっこう美味しい。パン用のチーズを小さなダイスカットにして生地にいれてもよさそうだが、高脂質高塩分になりそうだからがまんするか。
次はどんなちぎりパンを焼こう。