疼痛治療は難しい

ヘルペスウィルスによる痛みが慢性化してしまいました。ヘルペスは発症してないのに神経痛は年中無休、24時間続きます。
この痛みがエグい。
どれぐらいエグいかというと、瞬間的に襲ってくる強い痛みに思わず「ギャッ!」とか「う…ッ」と声がでる。夜、痛みのせいで寝付くのに苦労する。なにかを罵らなくてはいられないほど痛い。そんなレベルでしんどいです。私の場合、仙骨の神経叢にヘルペスウィルスが潜んでいるせいでしょうか、仙骨から左のハムストリングス(腿の裏)にかけてビリビリ痛みます。神経の走行を身を以て学ぶことになろうとは。

ペインクリニックにゆこう

身の置き所がない痛みが続くというのは、つらいものです。バファリンやロキソニン、カロナールなどは効きません。
こういう神経痛には市販薬が効かず万策尽きたので、昨年からペインクリニックのお世話になって疼痛治療を続けています。

ペインクリニックとは、痛みを和らげることに特化したクリニックです。慢性的な腱鞘炎をおこした人なら、神経ブロックという言葉を聞いたことがあるかと思います。神経ブロック注射もペインクリニックで受けられます。
ペインクリニックに通う人のほとんどは、慢性化した痛みのケアやターミナルケアの一環として通っています。だから待合室にベッドがあったり、ストレッチャーや車椅子で通って来られる患者さんがいたりします。

薬の副作用に翻弄される

症状に合っているのはもちろんのこと、体質に合う薬を見つけるのが大変です。
というのも、神経の痛みを和らげるような薬は、強い眠気やめまい、浮腫みをひきおこすものが多いからです。
わたしもプレガバリン(リリカのジェネリック版)を処方される時、「眠気がでるかもしれないので最小の25mgから始めましょう」と慎重にスタートしました。

しかし残念なことに、25mg錠を1日に2錠もしくは1錠で十分鎮痛効果があったのも1年ぐらいでした。最近は1日に2錠服用しても効かなくなってきました。

これはまずい。医師に相談して倍量(1日に4錠)にしたところ、2日目で片耳がボワーンとつまったようになってしまいました。そして眠気がひどい。めまいもするしフラフラするほど眠い。
朝1錠、就寝2時間前に2錠でなんとかならんかなぁと試してみたらチリチリとした神経の痛みが復活しました。それだけではありません。眠気・めまいに加えて便秘と胃痛、猛烈な頭痛までおこるようになりました。

漢方薬もあり

ふたたび医師に相談したところ、医師も「眠気がでない薬となると限られてきます」と悩んでいました。

疼痛治療では、鎮痛作用のある薬とともに抗うつ剤(と同じ成分)の薬がセットで処方されることが多いようです。が、神経を鎮める、つまりダウナー系の薬となるので泥のように眠くなったりします。仕事どころか日常生活に支障がでます。
理屈はわかるけど眠気がでるのは絶対にNGです!という強い意志をムンムンさせて主張したところ、漢方薬を2種類処方してもらいました。

痔の薬やん。

乙字湯って痔の薬ですやん。

いぼ痔や切れ痔、軽度の脱肛があるときに用いられる漢方薬です。便秘傾向で便がかたく、排便時に痛みのある方に適しています。漢方医学では、下半身に熱が生じると便秘になりやすく、便秘により肛門付近の血流が悪くなると、痔の原因になると考えます。乙字湯は熱を冷まし、「血」のめぐりを改善することで、便通をととのえ、腫れや出血、痛みなど痔による症状を改善します。

ツムラ漢方乙字湯エキス顆粒(おつじとう)

薬局にプライバシーはないのか

医師からは「ヘルペスの痛みがでる肛門周辺の神経痛のために処方しますね」という説明を受けています。
が、薬剤師さんはそれを知りません。当然のように、症状は?なぜこの薬を?と質問されます。他の患者さんたちが何人もいる薬局のカウンターで、薬剤師さんに詳細を説明する羽目になりました。

いつも思うんですけれど、会話が筒抜けの環境で、患者に体調や病状を詳しく説明させることについて、薬剤師さんはなんとも思っていないのでしょうか。いくらわたしがおばさんでも嬉しくない状況です。同じ薬を長期間処方されているのに、都度、異なる薬剤師さんに同じ説明を繰り返しするのもうんざりします。
今度から説明をプリントした紙を準備しておいて、そっと渡そうかな。

漢方薬が品薄

今回、乙字湯と抑肝散加陳皮半夏とを処方されました。
ところが、どの処方箋薬局に行っても置いていない。クリニックの近所の薬局でも在庫切れです。5件目の薬局でようやく両方とも在庫がありました。
処方箋に書いてある薬が複数あった場合、在庫切れの薬があると面倒なことになります。在庫がある薬だけを受け取り在庫切れの薬を別な薬局で出してもらうことはできないんです。
それのみならず、漢方薬は2024年6月現在、薬が入って来ない状況が続いているそうです。取扱い実績がない薬局からオーダーをかけても、すぐに納品してもらえない。それはそうですよね。品薄ならばお得意さま優先で納品するというものです。

こんな経緯でプレガバリン&漢方薬という組み合わせで服薬を始めました。
わたしは漢方薬がやたら効く体質なので、2週間分だけ処方してもらいました。中医や漢方医が処方する真正の漢方薬は、わたしの体では1日の服用で合うか合わないかが判ります。かなり薄めてあるクラシエやツムラの漢方薬だと、1週間ぐらいかかるかもしれません。合わなかった時はどうなるのかなぁ。

疼痛治療仲間にこの記事が届いたら嬉しいです。
おそらく生きている限り続くこの痛み…遠い目になっちゃいますね。