賃貸物件探しには気をつけろ(2)

夕焼け空

契約時に印鑑を忘れて手ぶらでゆくという失態などありつつ、その後は順調に進み、鍵の受け渡しの日になった。
初めての一人暮らしなのでうきうきしながら鍵を受けとりに不動産屋へ。
今日もN村くんはいない。外回りなんだろうな。

依頼が伝わっていない

「こちらが鍵ですね〜」と渡された鍵をみて思わず「えっ!?」と声が出た。
ディンプルキーちゃうやんけ。

「ディンプルキーにしてもらうようお願いしていたんですけど」
「え!そうだったんですか?!」
「はい。契約の前にディンプルキーでお願いしますとN村さんにお伝えしたら、「高くなりますけどいいですか」とディンプルキーにする場合の見積書もいただきました。それをみて「この内容でお願いします」とN村さんにお伝えして契約となったので確かです」
「いやー…行き違いがあったみたいですね」
「そのようですね。とにかく鍵はディンプルキーにしてください」
「交換の費用とディンプルキーの費用がそれぞれ発生しますけどいいですか?」
「いえ。社内連絡ができていなかったのはそちらの手違いですからそちらでやってください」
「それはちょっと…」

という不愉快な事態が発生してしまった。なんでスムーズにゆかないの。

筋がとおらないことは嫌い

普段のわたしなら相手の事情を斟酌して「まぁ、しょうがないですよねぇ」と理解を示す。
しかし、鍵の交換代はすでに負担している。そこに2回目の交換代までディンプルキー代金に載せられるというのは納得がゆかない。内部での連絡ミスで生じる費用を全額客に負担させるのは筋違いだ。
そして、これまでN村くんのやってきた数々のやらかし(炎天下の駐車場で数十分待たされる、日が暮れてから真っ暗な物件を案内される、廃墟みたいな物件をみせられる等々)により、もうレッドカードだ。

「社内でちゃんと話し合って再度連絡ください」とお伝えしてその日は帰宅した。
夜、N村くんの上司から電話がかかってきて「交換代はうちで負担します。ディンプルキー代金は実費なんで、折半でどうですか。僕が半額だしますんで…」という提案がきた。

全額負担はお門違いで腹が立った。
今度はこういう懐柔策を出してきたことに腹が立つ。
店長がポケットマネーで負担して「くれた」となると、なんか申し訳ない気持ちにこちらはなってしまう。本来なら負うこともなかった罪悪感を客に感じさせてとりあえず解決しようというやり方が気に入らない。
それぐらいなら「社内での申し送りに不備があった点はこちらに非があるので交換代を負担します。しかし、鍵の実費は本来発生するものとして同意をいただいていますからお支払いください」といってもらうほうがいい。
自分がクレーマーというか面倒な客になっているようでモヤモヤする。筋を通して欲しいだけなんだ。

とにかく、このままでは事態は進まずわたしは鍵をうけとれない。このあと店長と数回話し合いなんとかディンプルキーが受けとれたが、その日もN村の姿はなかった(もう呼び捨て

やはり穴はあいていなかった

幸いなことに引越し業者には恵まれて真夏の引越し作業は順調に完了した。
出隅・入隅だらけではあるけれど、壁紙や天井のクロスがとても凝っていて、キッチンにも窓があるのが気に入っていた。

しかし東南角部屋なので暑い。寝室にエアコンをつけるのが火急の課題だった。
N村くんは「穴あいてますよ」と言っていたが、どこをどう探しても穴は空いている気配がない。
やっぱりー!!!(怒)
工事費も発生してしまうではないか。

「穴あけていいと大家が請け合っている」とも言っていたが信用できない。再度、不動産屋を介して確認をとったうえでエアコンプロジェクトに着手した。

そして、調べてみるとたしかにマンションなどではあとから穴を開けている。鉄筋コンクリート造の場合は鉄筋を避けるか鉄筋を切るかしないとならないので大変らしい。

ん?
そりゃそうだよね。だけど開けられないわけじゃないよね(嫌な予感)

業者に断られまくる

ここから業者探しが始まったが、とにかく断られまくった。
何軒目かで「鉄筋コンクリート造で外壁がタイルの物件で穴開けるなんて、今時請け負ってくれるところないですよ」とまで言われたのと、連日の蒸し暑さに音を上げて、窓にとりつけるタイプのクーラーで妥協することにした。

窓につけるタイプの簡易型クーラーを付けたところの画像。コロナ社製。めちゃくちゃうるさい。
ヨドバシで購入。取り付けオプション(有料)もつけて設置してもらったが、業者が最初から最後まで悪態つきながら作業していたのがたいへん印象的だった。

ヨドバシで購入したkoizumiの窓に取り付けるクーラーは、「静音タイプ」とかいてあるのに轟音であった。とてもではないがつけて眠ることなどできない。そんなレベルでうるさい。
米軍御用達の強力な耳栓を装着して眠るか、就寝時刻までにキンキンに冷やして眠るときにはオフにするかの二択だ。耳栓の違和感で眠りの質は下がったし、夜中に蒸し暑くて起きてしまうこともよくあり、閉口した。

引越しの物件を探している人には「窓につけるタイプのクーラーとスポットクーラーはやめておけ」と強く伝えたい。今の日本の夏の暑さでは、そういう部屋は物置かクローゼットにするしかない。

不動産屋のN村くんのいいかげん情報ややらかしによって散々な目に遭ったが、暮らし始めてみたらヤバいのはそれだけではなかった。次回に続く。