スリッパが汚なくなってしまった。
猫が寄りかかったり枕にしたりして寝て、ヨダレや鼻水をつける。のみならず、調理中の油はねや水はねも受け止めているし、わたしの足の汚れもひきうけているのだ。汚れるに決まっている。
汚いとなれば洗いたくなるのが人の情というものだろう。
だってこんなに汚いんだもん。
だが、ここでひとつ問題がある。
これは「洗えるスリッパ」ではないという点だ。
品質表示に洗濯不可のマークがあった。つまり洗ったらいけないとメーカーが宣言している。
メーカーのいう「洗うな」は、洗うと品質が保持できませんよという意味だ。
素材を考えて判断
スリッパに使われている布はリバティプリント。おそらく綿とポリエステルの混紡だろう。
スリッパの裏には人工皮革様のものがはりつけてあり、中身はポリエステルとポリウレタンの芯といったところだろう。廉価なスリッパだと甲の部分にボール紙が使われているが、手触りと価格からしてボール紙は使われていなさそう。
よし、洗える。
普通の洗剤とタワシで洗ったら
普通の洗濯用の合成洗剤をぬるま湯にとき、そこに浸す。中に紙が使われていないとは限らないので手早く洗いたい。
亀の子たわしでゴシゴシ洗ってみるも、全然汚れが落ちない。こはいかに。
そこで次にせっけんで洗ってみた。せっけんをつけてゴシゴシ・・・してみてもやはり汚れが落ちてゆかない。
せっけんですら落ちない汚れってよっぽどだ。
仕方がない。最終兵器を使うか。
酸素系漂白剤を60度ぐらいのお湯に溶き、スリッパをひっくりかえして浸すこと30分でやっと綺麗になった。
よく濯いでから洗濯機で脱水し、カンカン照りのベランダで陰干ししました。
全然乾かない
夕方になって取り込んでみたところがこちら。
甲にすこしシワがよったけれど、大破しているわけではないし、綺麗になったじゃないですか!よしよし。
履いてみたらなんか足触りが変。
ブカブカふかふかしているというか、妙な弾力を感じる。そして踵のあたりからじんわりまだ水分が滲んでくる。
あんなに暑くて風にあおられるベランダに5時間以上干していたのに、まだ乾いていないとは驚きだ。裏がまったく通気性のない人工皮革で覆われているせいかもしれない。(ふたたび干しました)
洗ってはいけないスリッパを洗ってみた感想としては、見た目はちょっとくたびれたスリッパ程度で済んだのでラッキーでした。しかし中身がどうなっているのか不明なのがスリリングです。
お気に入りのスリッパで捨てるには惜しくまだ履きたいのなら、ダメ元で洗ってみると楽しいかもしれません。子どもの頃、外の水道で上履きを洗っていたのをふと思い出すような体験でした。