ムートンを手洗いしてみた

a sheep standing top of the hill

普段使っているPC用の椅子に、ムートンの座布団を敷いている。
実家からもらってきたものだ。何年ものか、今や誰もわからないという恐ろしいシロモノだ。
長年の酷使により毛はフリース状になり、グレーという色もあいまって巨大なホコリの塊のようにも見えるが、猫とわたしはこれを奪い合っている。座り心地はさすがムートン、蒸れず熱も籠もらず快適だ。腐っても鯛(羊だけど)。

しかしさすがにいくらなんでもみすぼらしすぎる。

洗おう。

洗面台に水を張り、エマールを溶かしたところにブツをいれる。
2、3回押し洗いしたところでもうこんな色になっちゃって… こんなに汚いものをわたしは尻に敷いていたのか…

犬や猫を洗う時の要領で、指で毛を根本からやさしくゴシゴシする感じで洗っていると、かたまった毛がふわっとしてきた。
このムートン座布団は裏が化繊の生地でしたててあるので、毛の裏の皮がどうなっているかはわからないが、毛はいい感じになってきた。生き物を洗っているような感覚に陥る。
しかしあの偶蹄類特有の匂いはしてこない。ちょっとさみしい。

何度も水を変えてすすぎつつ、毛をつぶさないように優しく撫でたりシャワーを当てたりして洗剤を洗い流す。
抜け毛もすごくて排水口の目ザルが詰まってしまった。


すすいだあとは洗濯機で脱水し、陰干しする。
曇りがちな猛暑日だったので30分もしたら8割以上乾いてしまったので、慌てて取り込んでスリッカーブラシで毛をほぐす。
ほんとうなら7割ぐらい乾いたところでブラッシングしたほうがいいらしい。

左(スマホだと上)の画像が洗う前の状態で、右(スマホだと下の)がスリッカーブラシでほぐしている最中のムートン。
ふんわりしてきてる!そしてけっこう毛が抜ける。スリッカーブラシにたまる羊毛をみて「フェルトボールが作れるのでは」とちらっと思ってしまった(捨てました)。

それにしても洗う前がひどすぎて笑える。よくこんなのを猫と奪い合っていたなと我ながら呆れる。

自宅にあるぺちゃんこのムートン、夏の終わりの快晴の日に洗ってみてほしい。
必要なものは ウール衣類が洗える洗剤とスリッカーブラシのみ🐏 洗う過程で汚れがどれほど落ちているかが視覚的にわかるので、妙な達成感と「綺麗になった!」という確信があって気持ちいい体験になること請け合います。